【2024.8.3】テキストを身体におとす

 稽古はまだ序盤で、過去の作品のテキスト(台本)などを使った稽古が続きます。

さて、演劇(映画などもそうですが)多くの場合台本を元に作品を作ります。台本は当たり前ですが文字で書いてあって、それを演じる人間は文字を読み解き、理解して演技をします。日本では割と劇作兼演出の人が多くて、その中には劇作重視タイプと演出重視タイプがいるように思います。劇作重視タイプの人は、台本をまずは完成させて、それを俳優に覚えてもらって演出をつけていく。台本が完成したらあまり修正しないという傾向があるように思います。演出重視のタイプは、役者さんに合わせて台本を書き、割と直前まで台本の変更がある場合が多いように見受けられます。

どちらがいいとは一概に言えませんが、台本が先にある場合が主流だと思います。台本を覚えて役をこなす上で、役者さんに求められるものが大きくなる場合もあります。特に経験が少ない方が出演する公演では、作品の完成度を上げるには台本に書かれた役を演じ切るための練習にそこそこ時間がかかるというのが実感です。

時間がかかる原因の一つは、書かれた言葉をあたかもその人物が喋っているように演じ手が自分の体に「おとす」のに時間がかかるからだと私は思っています。セリフを覚えたからそれができるわけではなく、いわゆるキャラクターをつかむことが必要で、つかんだ上で自由自在に動けることが求められるわけです。経験が浅いと、この感覚がなかなかつかめないのです。

逆につかめると演技は急に楽しくなります。演技が今ひとつ楽しくない方は「つかめ」ずにもやもやしている場合も多いと思うので、どうしたらいいのか指導者や経験のある役者さんなどに相談してみるのもいいかもしれません。


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