【2024.7.13】恒例のアンケート、演劇は誰のためにするのか その1
本格的にデマチカヤナギの4年目がスタートしました。村上さん恒例のアンケートが今年も皆さんに配布され、それをもとに今年の作品作りがスタートしようとしています。
さて、この劇研アクターズラボ公演クラスは、「期間限定の劇団」の様なもの。と説明会でも説明しています。
これは、なんとなくわかるようで、よくわからないことなので、今年度スタートにあたって改めて解説したいと思います。
劇研アクターズラボは「講座」という位置づけになっています。これはもともと公演がついていなくて演技のスキルアップのトレーニングをするクラスがメインだったからです。(今は公演がついているクラスがメインですが)
さて、この「講座」ですが、主催者からすると「お客さん(受益対象者)」は「受講生」ということになりますよね。ですから、主催者は「受講生」が満足いくような講座の内容であったり、スキルアップにつながるカリキュラムを提供するということになります。
しかし、「講座」でありながら「公演」を行うとなると、事情は変わります。つまり、公演に足を運んでくれる「お客さん」も主催者にとってはお客さんだからです。似たような講座を主催する主催者によって、いろいろな考え方があると思いますが、私たち劇研アクターズラボは「来場してくれるお客さん」を第一に考えるという方針です。この考え方は劇団の考え方と似ています。つまり、お客様にいい作品を提供できなければ、来場者は減り劇団の人気も下がってしまうからです。劇研アクターズラボはこの後に劇団に所属してもついていける技術や考え方を習得できることを目指しています。(プロ劇団に対応するには才能とより努力が必要ですが・・・)ですので、「劇団」に近い方針をとっているのです。
ですが、そうした方針ゆえに「講座」の途中でいろいろ問題も出ます。「同じ受講料を払っているのに役が小さい」とか「自分のやりたいことと違うことを演出家に要求されて納得がいかない」などなど・・・です。こうした判断は指導者である「演出家」に委ねられているのですが、この「演出家」はスポーツでいうと監督にあたります。演劇もスポーツも一緒ですが、監督によって結果は分かれます。名将と言われる人はスポーツではいい成績を残す監督ですよね。演劇も一緒です。そして誰もがいい監督になれるわけではないのも一緒です。演劇はスポーツと違い勝ち負けがはっきりしませんからわかりづらいのですが、実は結果は歴然です。
かつて演劇経験を問わず出演者を募集しそれをあまり実力に差がないようにランダムに4グループに分け、4人の演出家にこれまたくじ引きで当たったグループを演出してもらったことがあります。同じ練習時間で、同じ時間の短編作品を作ってもらい、それを同じ会場で連続上演し、観客にどれがよかったか投票してもらうという演出家には厳しい企画でした。2回同じやり方で企画を実施したのですが、予想以上に高評価と低評価の差が開きました。つまり優れた作品は専門家だけに判るのではなく、観客にもわかるということです。高評価は残念ながら高評価を得られる能力のある演出家しか難しいのです。これはプロの俳優を演出する場合と、アマチュア(初心者)を演出する場合には若干違いがありますが、結果が出せるには才能やセンス、経験や努力が必要なのは明らかです。
ですから劇研アクターズラボでは、指導者を厳選し「初心者を演出しても結果が出せる」演出家にお願いしてきていただいているのです。
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