【2024.7.20】恒例のアンケート、演劇は誰のためにするのか その2
前回のブログの続きです。 今日が先週配られたアンケートの締め切りでした。このアンケートは毎年稽古の序盤に村上さんが参加者に書いてもらうもので、どんな役がやりたいか、セリフは多いほうがいいかなど、一見するとこれから作る作品で自分の希望を叶えてくれる と期待させる内容です。 ですので、若干誤解を生む可能性があります。 前回も述べましたが、劇研アクターズラボで演出をお願いする講師の方には「いい作品」を作ることを第一にお願いしています。それは参加した「受講生」を満足させることも大切ではあるのですが、それよりも「いい作品」を発表したことを評価します。ということです。 ですから、村上さんも「このアンケートが全て叶うわけではない」ということを繰り返し説明されていましたが、あくまでも創作する上での手掛かりにしたいということなのです。 演技経験がある方はわかると思いますが、自分ではいい感じでやっているつもりが、演出家からはなかなかOKが出ない・・・、長いセリフが与えられて、張り切って全部覚えたのに大部分がカットになった・・・自分はこの役に向いていると思っていたのに違う役になった・・・それらは、演出家がその人のことが憎くてやっているわけではなく(ほとんどの場合です)そうしたほうが、お客さんが楽しんでくれる、(受け入れてもらいやすい)と判断しているからなのです。演出家の能力が信頼できる場合にはそうしたこともすんなり受け入れられるはずなのですが、その信頼関係が未成熟な場合には受け入れられないこともあります。時々「納得できない」と主催者である私のところに言って来られる方もいらっしゃるのですが、私は少なくとも結果を出せる能力を信頼して、候補の中から演出家を選んでいるわけですから、多くの場合、不満を持つ方には申し訳ないのですが演出家の肩を持つことになるのです。