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【2024.7.20】恒例のアンケート、演劇は誰のためにするのか その2

前回のブログの続きです。 今日が先週配られたアンケートの締め切りでした。このアンケートは毎年稽古の序盤に村上さんが参加者に書いてもらうもので、どんな役がやりたいか、セリフは多いほうがいいかなど、一見するとこれから作る作品で自分の希望を叶えてくれる と期待させる内容です。 ですので、若干誤解を生む可能性があります。 前回も述べましたが、劇研アクターズラボで演出をお願いする講師の方には「いい作品」を作ることを第一にお願いしています。それは参加した「受講生」を満足させることも大切ではあるのですが、それよりも「いい作品」を発表したことを評価します。ということです。 ですから、村上さんも「このアンケートが全て叶うわけではない」ということを繰り返し説明されていましたが、あくまでも創作する上での手掛かりにしたいということなのです。 演技経験がある方はわかると思いますが、自分ではいい感じでやっているつもりが、演出家からはなかなかOKが出ない・・・、長いセリフが与えられて、張り切って全部覚えたのに大部分がカットになった・・・自分はこの役に向いていると思っていたのに違う役になった・・・それらは、演出家がその人のことが憎くてやっているわけではなく(ほとんどの場合です)そうしたほうが、お客さんが楽しんでくれる、(受け入れてもらいやすい)と判断しているからなのです。演出家の能力が信頼できる場合にはそうしたこともすんなり受け入れられるはずなのですが、その信頼関係が未成熟な場合には受け入れられないこともあります。時々「納得できない」と主催者である私のところに言って来られる方もいらっしゃるのですが、私は少なくとも結果を出せる能力を信頼して、候補の中から演出家を選んでいるわけですから、多くの場合、不満を持つ方には申し訳ないのですが演出家の肩を持つことになるのです。

【2024.7.13】恒例のアンケート、演劇は誰のためにするのか その1

本格的にデマチカヤナギの4年目がスタートしました。村上さん恒例のアンケートが今年も皆さんに配布され、それをもとに今年の作品作りがスタートしようとしています。 さて、この劇研アクターズラボ公演クラスは、「期間限定の劇団」の様なもの。と説明会でも説明しています。 これは、なんとなくわかるようで、よくわからないことなので、今年度スタートにあたって改めて解説したいと思います。  劇研アクターズラボは「講座」という位置づけになっています。これはもともと公演がついていなくて演技のスキルアップのトレーニングをするクラスがメインだったからです。(今は公演がついているクラスがメインですが) さて、この「講座」ですが、主催者からすると「お客さん(受益対象者)」は「受講生」ということになりますよね。ですから、主催者は「受講生」が満足いくような講座の内容であったり、スキルアップにつながるカリキュラムを提供するということになります。 しかし、「講座」でありながら「公演」を行うとなると、事情は変わります。つまり、公演に足を運んでくれる「お客さん」も主催者にとってはお客さんだからです。似たような講座を主催する主催者によって、いろいろな考え方があると思いますが、私たち劇研アクターズラボは「来場してくれるお客さん」を第一に考えるという方針です。この考え方は劇団の考え方と似ています。つまり、お客様にいい作品を提供できなければ、来場者は減り劇団の人気も下がってしまうからです。劇研アクターズラボはこの後に劇団に所属してもついていける技術や考え方を習得できることを目指しています。(プロ劇団に対応するには才能とより努力が必要ですが・・・)ですので、「劇団」に近い方針をとっているのです。 ですが、そうした方針ゆえに「講座」の途中でいろいろ問題も出ます。「同じ受講料を払っているのに役が小さい」とか「自分のやりたいことと違うことを演出家に要求されて納得がいかない」などなど・・・です。こうした判断は指導者である「演出家」に委ねられているのですが、この「演出家」はスポーツでいうと監督にあたります。演劇もスポーツも一緒ですが、監督によって結果は分かれます。名将と言われる人はスポーツではいい成績を残す監督ですよね。演劇も一緒です。そして誰もがいい監督になれるわけではないのも一緒です。演劇はスポーツと違い勝ち負けがは...