【2023.12.2】シーンスタディ2日目

 

高杉征司さんによる代講の2日目。前回に続いて2人芝居のテキストを使ってのシーンスタディです。今日は最後に発表もしました。まずはペアに分かれてそれぞれで練習します。前回同様、高杉さんは各ペアの練習を見てアドバイスを加えていきます。

最後にはそれぞれのペアが連続で発表し、練習の成果を互いに見合いました。(写真)

さて、シーンスタディをより充実させるポイントは「人の演技を見る」ことではないかと思います。私も演劇を始めたての若い時、こうした練習をしていて、よく指導者から「人の演技を見て」と言われたものでした。でもその時は全然ピンと来なくて、自分のやること、演じることで精一杯で人の演技は見てはいましたが、何がどう良くて、どう参考になるかなんてちっともわからなかったのを覚えています。今になって思うのは、「人の演技を見られるようになる」ことにも段階があって、見ていくうちにだんだん上達していくということです。

まずはお客さんのような気持ちで素直に見ることが大切ではないでしょうか。演じるのは一緒に芝居する仲間ですし、自分が演じる時に暖かい目で見てもらえるようついつい「優しい目」で見がちです。でも演技の練習としては、クールに素直な目で見ることが大事ではないかと思います。(退屈だったら、そのように感じて無理して笑ったりしたりしないことです。ただし、稽古場を和ませるためなどの理由で、無理して反応しているのが自覚できていたら、それはそれでいいんですけど)本当に面白くて笑ってしまったり、つい引き込まれたりすることもあると思います。見る量が増えていけば、そんな時になぜ自分がそうなったか、だんだんわかってきます。指導者がアドバイスをして、演技が変わって「面白くなった」と感じられたらそれはそういう自覚のためのとてもいいトレーニングです。俳優は自分の演技が観客にこう伝わるだろう、ということを意識して演じたりします。自分の動きや声や感情がどうなっているか、どう伝わっているかを自覚できていないと、狙い通り伝わらないので「見る、見られる」練習でそれを磨くのです。

また、演技はアクションとリアクションですから人の演技(例えばそれが小道具の扱いや、視線、距離感なども含めて)にどう反応すると芝居が面白くなるかも大切です。こうしたこともシーンスタディの中で人の演技を見て参考にすると有効です。何かを仕掛けるより、リアクションをどう取るかが演技ではとても大事なのですが、「この人のリアクションの取り方は上手いわー」などと意識できるのは結構見る目のある人だと思います。上手い人だととても巧みにリアクションをとって自然に芝居の世界を広げるため、知らず知らずそれに見入ってしまって、その技術を意識できないことはよくあります。なので見る時にリアクションの取り方を意識して見てみるのもいいかもしれません。

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