【2023.10.7】いい関係がいい作品を作る!?

 今日からの新たなメンバーも加わり、半年後の公演に向けた顔ぶれが固まりそうです。このチーム「デマチカヤナギ」は、幅広い年齢の方が参加していますがとても仲が良く、欠席したメンバーのために自主的に休んだ時の稽古内容を知らせあったりしています。


演劇を作る上でチームワークは大切だと思います。それは、言い換えれば「信頼関係ができている」ということなのだと思います。

 演出家と出演者との信頼関係が大事なのはもとより、役者さん同士の信頼関係も同じです。お芝居をしたことがないと、台本に書かれている通り演じればできあがると思ってしまうこともありますが、現実はそうではありません。

台本には、最初から結末まで書いてありますが、お客さんは目の前で起こることを見てゆくわけです。一人の人が出てきた/その人が舞台上で右往左往している/もう一人の人が出てきた/(その人の様子を見て)「どうしたの?何か探しているの?」「うん、パスポートが見あたらないんだ」

このやり取りで、お客さんは右往左往している人が、「パスポートを探していただんだ」と理解できるわけですが、「うん、パスポートが見あたらないんだ」のセリフが(パスポートを探しているにも関わらず)「それ、こたえなきゃいけないの」だったりしたらどうでしょう。2人の間には何か緊張感を感じます。例えば「それ、こたえなきゃいけないの」と言うのと同じ心情と動作で「うん、パスポートが見あたらないんだ」と言ってみたらどうでしょう。同じセリフなのに、やっぱりギクシャクした何かを感じさせることができそうです。

 このように、演劇は人の演技やアクションをどうほかの人が引き受け、どうリアクションを取るかで変化します。見ている人はその変化を(意識しないにしても)感じているのです。同じ台本を使っていても面白い芝居と面白くない芝居ができてしまうのは、こうした一つ一つのやり取りに違いがあるのです。ざっくり言えば、一つ一つのやり取りが豊かで創造的であればあるほど、面白くなるのです。

 多くの場合、他人行儀な関係やギクシャクしている関係からは豊かで創造的なシーンは生まれづらいです。なぜならその関係自体が緊張感をはらんでいて、豊かにできるような「あそび」が生まれづらいからです。逆に「あそび」が生まれるような稽古場は楽しいものです。


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