リアルは「演技」より奇なり

 12月25日 13:30-17:30  担当:渡辺健一郎

年内最後の稽古は、長めに4時間。今日は突発、課外(?)活動。

稽古場付近、街なかに陣取って、辺りの人々を観察しよう、それを演じて数分の作品にしようというもの。

最終的には現実に生きている人たちを「そのまま」写しとる(ナチュラリズム)のではなく、

上演という新たな現実に置き換える(リアリズム)、というのが演劇の課題だと村上さんは考えているようですが、

まずはいったん「そのまま」を目指してみようということになりました。


とはいえ、自分とはセクシュアリティや年齢の異なる役を演じなければならないことにもなったりするので、少なからず演出は必要になってきます。

それでも「その人たち」が「確かにそこにいる」なぁ、という感覚はほしい。しかし演技に照れがあったりすると、どうしても俳優自身の存在感が前に出てきてしまう。


みんなが創作している途中、村上さんは「気温」の要素を考慮に入れてほしい、とオーダーを出しました。

これは恐らく、暖かい室内で演じる俳優たちが、「外」のことに注意を向けて、集中できる様にできるようにするためです。


演技の場合には、幾許かの制約があった方が、変な緊張が取れるなどして上手くいく場合がある。

指示の出し方の妙、もあった様に思います。どのチームの発表も面白かった。


例えば鴨川での親子を写し取ったチーム。6歳前後?のこどもが飛石渡りに成功して喜んでいるのに、全然反応しない親。というワンシーン。

「親子」ってこういうもの、という枠組の中で考えていると、こういう演技はなかなか難しい。

子どもの一挙手一投足に愛情を持って反応したりしてしまう。

でも、子どもに愛はあっても、寒かったりして意外とドライな対応をしたりする。見守るだけ、みたいな。

ただ案外「現実」ってそんなもんだな、など。


演技の機微を、脳内からのみ生み出すのはやはり難しい。

実際の「外」を見て、リアリティってどういうことなのか、それを問いなおす稽古となりました。


















コメント

このブログの人気の投稿

【2023.6.3】セリフと芝居の流れ

【2023.5.27】3年目のプレワークショップ/募集継続中

【2023.10.7】いい関係がいい作品を作る!?